2025年GPT-5登場!GPT-4との性能差を徹底検証 ‐ 実際に使ってみた感想 ‐

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2025年8月7日、AI業界に大きなニュースが舞い込みました。
OpenAIが最新モデル 「GPT-5」 を正式リリースしたのです。これは、私たちが日常的に使っているChatGPTの“頭脳”にあたる部分の大幅アップデート。前世代である GPT-4(特に多機能版のGPT-4o)と比べ、推論力・正確性・安全性が格段に進化しています。

この記事では、単なる技術スペックの羅列ではなく、実際に使ってみた感想も交えて、GPT-4とGPT-5の性能差を徹底的に比較します。
読むことで、

  • どこが進化したのか(性能差の実態)
  • 使い心地はどう変わったのか(実体験レビュー)
  • どんな人におすすめできるのか(利用シーン別提案)

がはっきりわかります。学生や主婦、エンジニアや営業職など、幅広い方に役立つ内容です。

GPT-5とは?最新モデルの概要

GPT-5は、OpenAIが2025年8月7日に発表した最新の大規模言語モデルです。
一番の特徴は、**「モデルルーター」**という仕組みを導入したこと。これにより、ユーザーがモデルを選ばなくても、質問の内容や難易度に応じて最適な推論モードが自動的に選ばれます。たとえば、日常会話や簡単な文章作成には素早い応答モードを、複雑なプログラミングや数学問題にはより深く考えるモードを自動で適用してくれるのです。

さらに、「thinking」モードの搭載により、AIが時間をかけてじっくり推論し、より正確で論理的な答えを導き出せるようになりました。文章だけでなく、画像やPDF、音声といった複数の形式を組み合わせて処理するマルチモーダル能力も強化され、対応トークン数は最大40万トークン(およそ数百ページ分の文章)に拡張。これにより、長大な資料や複雑なデータ解析にも対応可能です。

GPT-4系との技術的な違いは、単なる精度向上にとどまりません。誤情報(Hallucination)の削減、安全性のさらなる強化、そしてユーザーごとの使い方に合わせた柔軟なパーソナリティ設定など、「頼れるAIアシスタント」への進化が実感できる設計になっています。

GPT-5の進化ポイント

GPT-5は、長さ(最大40万トークン対応)・視覚(画像やPDF解析などのマルチモーダル強化)・正確性(誤情報削減)・文体(自然で柔らかい表現力)・自動処理(モデルルーターによる最適化) の5つの面で大きく進化しました。以下では、その内容をわかりやすく解説します。

GPT-5の進化ポイントの図

①:長さの進化 ― 圧倒的な情報量を処理可能に

GPT-5は、一度に処理できる文章量が最大40万トークンに拡大しました。これは、日本語でおよそ数百ページ分の本や、分厚いマニュアルを丸ごと読み込める計算です。

たとえば――

  • 会社の年間報告書をそのまま読み込ませ、要約や改善提案を作成
  • 大学の卒業論文数本をまとめて比較・分析
  • 長大なプログラムコードを丸ごと解析し、エラー箇所や改善案を提示

これまでは、長すぎる文章を何回かに分けて入力する必要がありましたが、GPT-5なら1回で完了します。作業効率が格段に向上し、「長いから無理」と諦めていた作業も可能になります。


②:視覚の進化 ― マルチモーダル機能の強化

GPT-5は、テキストだけでなく画像やPDF、図表、音声などを同時に理解できる能力が強化されました。

たとえば――

  • スマホで撮ったレシピの写真を見せて、「この材料で作れる別の料理は?」と質問
  • PDFの契約書をアップロードして、重要な条文を抜き出して説明
  • プレゼン資料のグラフを読み取り、傾向や改善ポイントを提案

以前は、画像解析用のAIと文章生成AIを別々に使う必要がありましたが、GPT-5はこれらを一つのモデルで処理できるため、手間も時間も大幅に減ります。


③:正確性の進化 ― 誤情報を大幅削減

AIにありがちな「もっともらしいけれど間違った答え(Hallucination)」の発生率が、GPT-4oに比べて最大80%削減されました。

たとえば――

  • 医療分野では、症状や薬の情報について誤解を招く回答が減り、信頼性が向上
  • 歴史や統計データの質問でも、より正確な数字や事実を提示
  • 回答の根拠を添えて説明することが増え、「なぜそうなるのか」がわかりやすい

正確性の向上は、学校のレポート作成やビジネスの企画書作成など、信頼できる情報が必須な場面で特に役立ちます。


④:文体の進化 ― 自然で柔らかく、多彩なジャンルに適応

GPT-5は、日本語での文章表現がより自然で、読みやすくなりました。これにより、堅すぎず柔らかすぎない“ちょうどいい”文章を作れるようになっています。

たとえば――

  • ビジネスメールでは、丁寧で簡潔な表現を自動で選択
  • 学術レポートでは、論理的で専門的な書き方に切り替え
  • 小説や詩では、情感たっぷりの表現やリズムを持たせる

文章のジャンルや読み手に合わせたスタイルを瞬時に切り替えられるため、書き手のレベルを問わず、完成度の高い文章が短時間で出来上がります。


⑤:自動処理の進化 ― モデルルーターによる最適化

GPT-5には、質問や作業内容に応じて自動で処理方法を変える**「モデルルーター」**という仕組みが導入されました。

たとえば――

  • 天気予報や簡単な雑談なら、高速モードで即答
  • 難しい数学の証明や大規模なコード修正なら、“thinkingモード”でじっくり推論
  • ユーザーが意識せずとも、最適な処理モードを自動選択

これにより、初心者でも専門家でも、常にベストな形でAIの力を引き出せるようになっています。

比較項目GPT-4o(代表例)GPT-5
リリース時期2024年5月頃2025年8月7日
処理速度高速(音声応答0.3〜0.5秒)モデルルーターで最適化、高速かつ精密な処理
コンテキスト長(処理可能トークン数)最大約12万トークン最大40万トークン(文庫本数冊分)
推論モード通常推論のみ“thinking”モード搭載で複雑な問題にも深く対応
マルチモーダル対応(画像/音声/PDFなど)画像・音声対応精度・対応範囲拡大、PDFや図表解析が強化
コーディング能力高精度(SWE-bench高スコア)さらに高精度、長大コードや複雑修正にも対応
文章生成力自然な文章、文体切替可より柔らかく自然、ジャンル適応力向上
正確性(Hallucination対策)GPT-3.5比で大幅減GPT-4o比で最大80%削減、根拠提示が増加
安全性有害コンテンツ抑制あり抑制精度向上、過剰同調や曖昧回答減少
カスタマイズ性一部可能(カスタムGPT)パーソナリティ設定(Cynic、Nerdなど)、API制御可
自動モデル選択なし(手動選択)モデルルーターで自動選択
想定利用シーン日常利用、短文応答、基本業務補助高度分析、専門業務、長文解析、複雑推論

トークンとは?
AIが文章を理解・生成するときの最小単位で、英語では1単語、日本語では1〜2文字程度が1トークンにあたります。

40万トークンの処理量
GPT-5は最大で40万トークンを扱えます。これは日本語にすると約20万〜40万文字で、長編小説数冊分に相当します。

入力と出力の内訳(例)
例として「入力27.2万トークン + 出力12.8万トークン」が可能です。
日本語換算すると――

  • 入力:約13.6万〜27.2万文字(文庫本400〜800ページ分)
  • 出力:約6.4万〜12.8万文字(文庫本200〜400ページ分)

実際の出力制限
理論上は長文出力が可能ですが、実際に試すと1回で出力されるのは約3,500文字程度で、その後「続きますか?」と確認され、続きを生成する仕組みになっています。

H2:実際にGPT-5を使ってみた感想

以下は実際に使用した感想になります。

良かった点

GPT-5を実際に使ってまず感じたのは、回答の深さと的確さが一段と増していることです。特に複雑な質問や複数条件を含む課題でも、迷いなく筋道立てて答えを返してくれます。
コーディングでは、単にコードを生成するだけでなく、なぜその修正が必要なのかを論理的に説明してくれるため、納得感があります。加えて、生成されたコードは動作確認までの流れがわかりやすく、実装や検証のハードルが下がります。
また、医療・健康など慎重な情報提供が求められる領域でも、曖昧な回答を避け、根拠を明示しながら提案してくれる点は大きな安心感につながります。特に健康相談や専門分野の調査では、この正確性が非常に頼もしく感じられました。


気になった点・課題

一方で、改善の余地も感じました。
サーバーの負荷軽減などの目的で、一度に出力できる文字数の上限は日本語で約3500文字になります。(続きはすぐに表示してくれますが3000文字~3500文字で毎回区切られるというイメージです。)
また、日本語での画像生成は英語に比べてまだ精度にばらつきがあり、特に文字を含む画像では文字化けが目立つこともあります。
さらに、新機能が多く便利ではあるものの、初めて使う人には設定やモードの違いがやや分かりづらいと感じました。慣れるまでは、ヘルプやガイドを参照しながらの利用が安心です。


H2:GPT-5とGPT-4、どう使い分けるべきか

日常的な文章作成や簡単なメール返信、短文翻訳といった軽いタスクであれば、現行のGPT-4(特にGPT-4o)でも十分に高品質な結果が得られます。応答速度も速く、ちょっとした調べ物や雑談用途には適しています。
一方で、複雑な推論・長文解析・大規模なコード生成や修正、さらには専門分野の知識が必要な質問にはGPT-5が圧倒的に有利です。thinkingモードや40万トークン対応、マルチモーダル解析はこの領域で大きな武器となります。
有料プランを使うかどうかの判断基準としては、**「利用頻度」「求める精度」「処理時間」**が大きなポイントです。毎日高度な作業に活用するなら有料のGPT-5が投資に見合いますが、週数回のライト利用なら無料版GPT-4で現状は十分だとも思います。

まとめと今後の展望

GPT-5は、従来モデルの単なる改良版ではなく、生成AIの新しい基準を打ち立てた存在です。推論力や情報整理力の向上に加え、事実確認精度も大きく進化し、専門性が求められる分野でも安心して活用できるレベルに到達しました。ブログやコンテンツ制作においては、長文の一貫性、文体の柔軟さ、マルチモーダル対応による表現の幅が広がり、読者体験の質を高められます。今後は、リアルタイム学習による最新情報の反映や、動画・音声を含む高度なマルチモーダル処理の進化が期待され、情報発信の在り方をさらに変えていくでしょう。

出典・参考

  1. OpenAI公式発表:Introducing GPT-5 – GPT-5の特徴や推論力・マルチモーダル対応について
  2. WIRED:OpenAI’s GPT-5 Is Here – 性能向上、精度改善、文脈処理能力に関する説明
  3. The Verge:OpenAI launches GPT-5 – 長文コンテキストや安全性の改善について

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